【2024年版】M&A業界高年収ランキング

みなさんこんにちは!給与転職編集部です。
今回は、現在日本の中でもっとも給与水準が高い業界であるM&A業界について解説していきます。

M&A:年収・給与ランキング

会社名平均年収
M&Aキャピタルパートナーズ2,478万円
フリーハン・ローキー
株式会社M&A総研ホールディングス
ストライク1,541万円
日本M&Aセンター
フロンティア・マネジメント

M&Aキャピタルパートナーズ

引用:M&Aキャピタルパートナーズ

日本の上場企業の中で最も平均年収の高い企業が、M&Aキャピタルパートナーズです。
平均年齢が32.4歳と若く、民間企業の平均年収である約450万円の5倍ほどと高い給与水準を誇っています。

給与は、固定給のほかインセンティブと業績賞与で構成されており、一般営業職で1,374万円、管理職にもなると3,432万円と、努力すればそれに見合う給料を手にすることができます。

会社名M&Aキャピタルパートナーズ
上場東証一部
売上208億円
社員数206人
平均年収2478万円
平均残業
有給取得
平均年齢32.4歳
参考:有価証券報告書(2023年)

株式会社M&A総研ホールディングス

引用:株式会社M&A総研ホールディングス

株式会社M&A総研ホールディングスは、高年収で知られるM&A仲介会社です。
2018年に設立され、2022年6月に東証グロース市場に上場し、2023年3月には持ち株会社制に移行しました。2022年9月期の実績では、売上高は39億1,100万円、営業利益は21億300万円、当期純利益は13億2,600万円を記録し、営業利益率53.8%と業界最高水準となっています。

平均年収を見ても、2022年9月期の決算報告書によると、入社2年目のM&Aアドバイザー(売り手担当)は1,484万円、入社3年目以降は約2,815万円、入社2年目のマッチング部門(買い手担当)は1,285万円、入社3年目以降は1,463万円と高い水準です。

M&Aアドバイザーが担当する案件数も多く、多くのM&Aを手掛けて高収入を得たい人にとって魅力的な企業です。

会社名株式会社M&A総研ホールディングス
上場東証一部
売上86億円
社員数258人
平均年収
平均残業
有給取得
平均年齢


フリーハン・ローキー

引用:GCA

フリーハン・ローキー(旧:GCA株式会社)は、M&Aアドバイザリー会社です。2019年から有価証券上で年収は非公開ですが、過去5年間の平均年収は1,997万円と非常に高い水準を維持しています。

2021年の有価証券報告書から推定される年収は2,063万円でした。平均年齢が37歳であるため、同年代の平均年収500万円と比較すると、その約4倍にあたります。アソシエイトの年収は約800万円、ヴァイスプレジデントに昇格すると1,200万円を超える水準です。

給与体系は固定給に加え、業績と評価に応じた賞与が支給されます。

会社名フリーハン・ローキー
上場
売上
社員数
平均年収
平均残業
有給取得
平均年齢

ストライク

引用:ストライク

1997年7月創業の東証一部に上場しているM&A仲介企業で業界の中では割と老舗の会社になります。
東京を本社として、札幌・仙台・名古屋・大阪・高松・福岡支店の計7拠点を中心に事業を展開しています。

公認会計士・税理士である代表取締役の荒井邦彦氏が創業しています。M&Aの情報サービスを展開しているM&A on-lineや、インターネットでのマッチングサービスを展開している【SMART】を運営しており、時代の変化に柔軟に対応している会社です。ストライクも、他のM&A仲介会社と同様に増収・増益を続けています。2020年8月は特に業績が良く、過去最高の売上高69億円、経常利益29.8億円となっています。経常利益率も5%以上改善しています。

ストライクも他のM&A仲介企業と同様に年収におけるインセンティブ給与の割合が高い設計である為、成約をすればするだけ高収入を得られます。

会社名株式会社ストライク
上場東証1部
売上138億円
社員数278人
平均年収1,541万円
平均残業
有給取得
平均年齢34.9歳
引用:有価証券報告書(2023年9月)

日本M&Aセンター

引用:日本M&Aセンター

1991年4月創業のM&A仲介会社で、言わずと知れた日本を代表するリーディングカンパニーです。
東京に本社を構え、全国に7拠点の支店・営業所を構え、中堅中小企業のM&Aアドバイザリー業務を行っています。また海外展開もしており、シンガポール、インドネシア駐在事務所、ベトナム現地法人、マレーシア駐在事務所を開設し、アジア全域をカバーできる体制をとっています。
また、金融機関とのアライアンスも積極的に行っており、メガバンク、地方銀行、証券会社との連携を通して、中堅中小企業のM&A支援を行っています。
社員数は連結ベースで861名(2021年6月時点)おり、中途採用だけでなく、新卒採用にも力を入れています。

圧倒的な成約実績・成約件数があり、会社が持つノウハウが豊富で、ベテランのアドバイザーが多数いるため、未経験からM&A業界への転職を考えている方にとっては、極めて良い環境といえるでしょう。
また、日本M&Aセンターは中途採用だけでなく、新卒採用も行っている為、若手のうちからM&A業務に携わることができる会社です。

会社名株式会社日本M&Aセンター
上場東証一部
売上413億円
社員数1,083人
平均年収
平均残業
有給取得
平均年齢
引用:有価証券報告書(2023年3月)

フロンティア・マネジメント

引用:フロンティア・マネジメント

フロンティア・マネジメントはM&Aアドバイザリーを提供する企業です。平均年収は1,217万円で、年間賞与は200万円以上に達します。平均年齢が38歳であることを踏まえると、平均年収が約520万円とされる中、倍以上の水準です。

賞与は支給されるものの、インセンティブはほとんどなく、アソシエイトクラスでも年収800万円程度が保障されているのが特徴です。高い固定給を目指す方にとって、魅力的な企業と言えるでしょう。

会社名フロンティア・マネジメント
上場
売上
社員数
平均年収
平均残業
有給取得
平均年齢

M&A業界の年収水準が高い5つの理由

M&A業界はいま、日本でもっとも年収のたかい業界の1つになっています。

東洋経済が発表している『2023年「平均年収が高い会社」ランキング全国トップ500』の1位はM&Aキャピタルパートナーズの2,688万円となっており、他にも、10位にストライク(1,432万円)、24位に日本M&Aセンター(1,202万円)がランクインしています。

M&A業界はなぜ平均給与が高いのかを解説していきます。

  1. 市場自体が近年非常に伸びている
  2. インセンティブ制度を採用している
  3. 賞与が高額である
  4. コンサルタント一人が手掛ける案件数が多く、売上高が大きい
  5. M&A業界独自のビジネスモデル

市場自体が近年非常に伸びている

M&A業界の年収が高い理由の一つは、市場が近年急成長していることです。

日本企業が関与するM&A件数は、2017年から業績が拡大し、2021年には4,280件、2022年には前年比1%増の4,304件と過去最高を記録しました。

日本でのM&A案件増加の背景には、経営者の高齢化や後継者不足による中小企業の承継問題、コロナ禍による業績不振に伴う経営資源の集中、M&Aの認知度向上、公的機関やM&A関連企業のサポートの充実などがあります。

さらに、最近ではスタートアップのM&Aも増加傾向にあり、日本のM&A市場は今後も成長が期待されています。
M&Aは企業戦略の重要な要素であり、今後も案件数が増加するでしょう。

インセンティブ制度を採用している

M&A業界の年収が高い2つ目の理由は、インセンティブ制度の導入です。

M&A会社は、そのビジネスモデルがM&Aコンサルタントの能力やスキルに大きく依存しているため、成果を上げた社員には高いインセンティブを提供する企業がほとんどです。 通常、インセンティブ率は売上の10%程度ですが、中には20%を超えるインセンティブを設定している企業もあります。

M&A業界は実力主義が徹底されており、成果を出すほど高額の報酬を得られる仕組みです。 熱意や能力のある人にとって、成績が正当にインセンティブで評価されるため、やりがいを感じやすいでしょう。

賞与が高額である

M&A業界の年収水準が高い3つ目の理由は、賞与が高額であることです。

上に挙げたランキング上位の企業の賞与水準が400万円近くになる企業もあるなど、通常の事業会社の賞与平均を大きく超える金額となっています。 特に、大手M&A会社は経常利益を伸ばしており、事業成績が良ければ社員に分配されるボーナスの金額も比例して伸びていきます。 M&A業界が高収入と言われるのは、ボーナスの金額が平均を上回るからです。

コンサルタント一人が手掛ける案件数が多く、売上高が大きい

M&A業界の年収が高い理由の一つは、コンサルタントが扱う案件の数が多く、一人あたりの売上高が大きいことにあります。

特に仲介会社では、少人数で多数のM&A案件を処理することが一般的です。

一人のコンサルタントが複数の案件を担当し、1件のM&Aが成約すると高額な売上(手数料)を得ることができます。案件によっては、その売上が数千万円に達することもあります。

大企業が関わる大規模なM&A案件が成立した場合、1件で1億円を超えることもあります。

M&A業界独自のビジネスモデル

M&A業界の年収水準が高い理由の5つ目は、独自のビジネスモデルにあります。M&A企業では、一般企業のような設備投資や製品製造に必要な原材料費や加工費がほとんど発生しません。

M&A業界の主な商材はコンサルタントという無形の人材であるため、人件費以外の大きな費用がかからないことが特徴です。さらに、一成約ごとの収益力も非常に高いビジネスモデルであることも理由の一つです。

また、M&A事業に新たに参入する企業が増えたことで、優秀な人材の確保が生き残るための鍵となり、そのためにインセンティブやボーナス、福利厚生を充実させるなど、人件費に多くの資金を投入する企業も増えています。

以上の理由から、M&A業界の年収水準は自然と高くなっています。

M&A業界の転職事情

M&A業界の転職事情は以下のポイントに分けて解説していきます。

  1. 中途採用動向
  2. 未経験からでも転職できる?

中途採用動向

M&A業界では、各社が積極的に中途採用を行っています。

コロナ危機直後には業績と採用活動が一時的に停滞しましたが、既にコロナ前の採用意欲に戻り、「緊急事態にも安定して経営できるように」と経営戦略を見直す企業が増えたことで、M&Aに関する問い合わせがさらに増加しています。

これまでは中小企業の事業承継や、企業の選択と集中、海外展開を目的としたM&Aが多かったですが、最近ではベンチャー企業のM&Aも増加傾向にあり、今後もM&A案件が増えると見込まれています。しかし、M&A案件の増加に対してM&Aアドバイザーの数が不足しており、人材不足は深刻な問題となっています。そのため、多くのM&A会社が積極的に採用を増やしています。

例えば、三大M&A仲介会社の一つであるストライクは、2022年から2023年にかけて社員数を177名から226名に、日本M&Aセンターも568人から622人に増やしており、中途採用を活発に行っています。

特に20代から30代前半のポテンシャルやスキルを持つ人材が人気で、即戦力となるM&A経験者は各社から引く手あまたです。M&A業界での就職を希望する人にとって、採用意欲が高い今は絶好のタイミングと言えるでしょう。

未経験からでも転職できる?

M&A業界への転職は、未経験でも可能です。
特に、20代前半の第二新卒をポテンシャル採用するM&A企業が多く、未経験から入社して社内研修やOJTを通じて短期間で成長し、M&Aアドバイザーとして活躍するケースが多々あります。

また、20代後半では、財務・会計・経営の知識やスキル、法人営業経験、新規営業の経験がある人材が積極的に採用されています。30代以降では、未経験での転職は難易度が上がりますが、優れた営業成績や豊富な財務・会計の経験があれば転職の可能性は十分にあります。さらに、会計・経理・経営に関連する資格を持っていると、短期間での成長が期待され、転職がより容易になるとされています。

評価が高い未経験者向けの資格としては、公認会計士(科目合格含む)、USCPA米国公認会計士(科目合格含む)、税理士、中小企業診断士、簿記などがあります。資格がなくても、会計や経理の実務経験や知識があれば十分にアピールできます。会計・経理の知識はM&A業務を遂行する上で不可欠であり、他の業界でも高く評価されるため、習得しておくことをお勧めします。

現在資格や知識がない方も、将来のキャリアを考えて早めに勉強を始めることを推奨します。

M&A業界で評価される2つのポイント

M&A業界への転職で高く評価されるポイントは以下の2つです。

  1. 法人営業経験
  2. 経営者へと寄り添う姿勢

法人営業経験

まず評価されるポイントの1つは、法人営業の経験です。

国内の多くのM&Aは、経営者の高齢化や後継者不足による事業継承問題を解決するために行われています。そのため、M&A担当者が対応するのは、多くの場合、日本の中堅・中小企業のオーナー経営者です。M&A仲介では、売り手企業と買い手企業の間に立ち、中立的な立場で双方の希望やニーズを調整し、納得のいく提案を進める必要があります。

また、売り手企業や買い手企業のいずれかと契約を結ぶM&AアドバイザリーやFASでも、クライアントとの綿密な連携が求められます。どのような関わり方であれ、企業のオーナーと円滑な関係を築くことが重要であり、そのためには中堅・中小企業のオーナーとの折衝経験や交流経験が不可欠です。このため、M&A業界では、前職での法人営業経験を重視する企業が多いのです。

事業会社や金融機関(銀行・証券会社)での法人営業経験があり、実績を上げていれば、高く評価されるでしょう。

経営者へと寄り添う姿勢

2つ目の評価されるポイントは、経営者に寄り添う姿勢です。M&A業界で多くの採用担当者が求めるのは、「クライアントに寄り添うことができる人間性や姿勢」です。M&Aは単なる会社の売買ではなく、その背景に様々な事情や感情が存在するからです。

身を粉にして働き成長させてきた会社を売る経営者にとって、M&Aは辛い決断であることが多いです。経営者に寄り添う気持ちがなく、ただ数字だけを見て機械的に進めようとする担当者では、交渉途中で破談してしまうことも少なくありません。経営者の感情を理解し、共感できる能力に加え、中堅・中小企業のオーナー経営者を心から尊敬し、役に立ちたいという気持ちがあることも、M&A業界への転職の際に高く評価されるポイントです。

高年収のM&A業界へ転職成功する4つのコツ

M&A業界へと転職するためのコツを4つ紹介します。

  1. 財務知識の習得
  2. 語学力
  3. 営業力をつける
  4. 採用実績の多い業界へ先に転職をしてスキルや職歴を付ける

財務知識の習得

高年収のM&A業界へ転職成功する1つ目のコツは、財務知識を身に付けることです。
基本的にM&A業界は即戦力になる経験者の求人が多く、未経験者は採用されづらい傾向にあります。

未経験者でも、財務知識があれば、企業価値の判断ができるとみなされるので、会計資格や職務経歴がある場合はアピールしましょう。参考までに、M&A転職市場での評価が高い資格やスキルを紹介いたします。

  • 公認会計士
  • 税理士
  • 簿記
  • 経理業務経験

語学力

高年収のM&A業界へ転職成功する2つ目のコツは、語学力です。日本市場の縮小から、今後は海外とのクロスボーダー案件が増えていくと見込まれています。そのため、語学力がある人材は国内M&A企業であっても事業発展の力になるとみなされるでしょう。留学経験や海外の方との交流のエピソード、TOEICなどのスコアに自信のある方は、積極的にアピールしましょう。

営業力をつける

高年収のM&A業界へ転職成功する3つ目のコツは、M&A仲介業務に活かせる営業力をつけることです。
上記でも紹介した通り転職後の実務でも営業の経験が必要になる場面が多いです。特に、法人営業や経営陣との渉外スキルがあると即戦力になるとアピールできるでしょう。

採用実績の多い業界へ先に転職をしてスキルや職歴を付ける

高年収のM&A業界へ転職成功する4つ目のコツは、M&A業界から採用実績の多い業界へ先に転職をしてスキルや職歴を付けておくことです。会計や財務、営業経験などの経験など、M&A業界で評価される経歴やスキルがない場合は、まず採用実績の多い業界へ転職してスキルや職歴を付けておくのも有効です。

  • 金融業界 (銀行・証券会社・生保・損保)
  • 総合商社や専門商社
  • 事業会社の営業(法人営業・経理)
  • コンサルティングファーム
  • 監査法人・公認会計士事務所・税理士事務所

一見遠回りに見えますが、評価されるスキルや実績があれば書類選考の段階で門前払いされることもありませんし、自信を持って転職活動を行うことができるようになります

また、転職後の仕事にも早期になじみやすくなることでしょう。

関連記事